CONTENTS


防災フロンティア コラム

阪神・淡路大震災10年の経過を振り返って思うこと!

 

神奈川大学工学部建築学科教授 荏本 孝久

 

もう過ぎてしまいましたが、今年の1月17日で、阪神・淡路大震災から10年が経過しました。 大きな被害を受けた兵庫県や神戸市では、いろいろな行事が実施されました。 その中で、復興10年委員会による「―阪神・淡路大震災―復興10年総括検証・提言報告」が行われ、 いろいろな観点から復興に関わる10年間の取り組み、活動報告や今後の防災対策に関する重要な視点や課題などがとりまとめられています。

このような、災害発生後の復旧・復興の経過に関して総括的な検証をまとめ、 広く一般に公表される事例はあまり見受けられません。それだけ災害の規模が大きかったことを思い返すことができます。 その一方で、被災地の外では、このようなイベントや報告書を一般の市民が認識することは、ほとんど無いと思われます。 大きな災害を受けた後、その教訓をいかに記憶に留め伝承していくか、取り分け、被災地の外の地域や市民に届くようにするかと言うことが、 今後の大きな課題です。

市民の一人一人、あるいは個人・個人が認識し、防災の意識をもつことが大切で、これをどのように実現していくかが大きく問われています。

先の報告書の内容について、その目次を見ると以下のような構成になっています。

  1. 復興10年総括検証・提言事業の意義・概要
  2. 復興10年の取り組みにおける主な成果と課題
  3. 提言の基調
  4. テーマ別検証・提言の大意
    1. 総括検証分野
    2. 健康福祉分野
    3. 社会・文化分野
    4. 産業雇用分野
    5. 防災分野
    6. まちづくり分野
  5. 今後への期待

ここにまとめられた総括は、大変広い観点からまとめられており、極めて重要な示唆を含んでいると考えられますが、 これもこの時代における総括であり、時代とともに社会状況や社会環境が変わると観点も変わり得るもので、 災害と人間生活との関わり合いも時代とともに変わって行くようにも思われます。しかし、防災の基本は常に変わることなく、 災害を認識し災害と上手く共存する心構えをもつことが大事であるということには変わりが無いように思われます。 そのためには、情報の共有化ということが重要で、しかも、自分から進んで情報を受け止める姿勢が大切です。

阪神・淡路大震災から10年経過した現在、首都圏直下地震(マグニチュード7クラス)の切迫性が指摘されています。 神戸における教訓を、市民レベルで防災に関心のある全国の多くの人たちに向けて、声を大きくして、もっと発信して欲しいものと念じています。

 

地震発生直後の町の神戸市内の様子
1995年1月17日地震発生直後の町の様子
(撮影:荏本孝久)
 

 

執筆者プロフィール

神奈川大学工学部建築科教授 荏本 孝久(えのもと たかひさ)

 


揺れ易さマップ
防災フロンティア コラム
不定期に、防災やその他のコラムを掲載します。
  • 防災について
  • 福祉
  • 子育て
  • 私と防災
地域防災研究所
地域防災について様々な情報をお届けするサイトです。
横浜市外国人向け危機管理マニュアル
横浜市の区民会議
横浜市の区民会議は、自分たちの生活に関わる様々な問題を、区民が相互に話しあう場、地域防災にも積極的に取り組んでいます。
災害から身を守るために役立つ総合的な基礎知識
八都県市防災危機管理対策委員会
内閣府防災、担当防災情報ページ
内閣府の、防災に関する総合的な情報を提供するサイトです。
中央防災会議(事務局:内閣府)
内閣府に設置された中央防災会議のサイトです。国の「防災基本計画」、「地域防災計画」をご覧になれます。
総務省消防庁
消防庁が作成した、全国の自治体の地域防災計画データベースです。
阪神大震災を調べる
阪神・淡路大震災について、そして命の大切さについて、インターネットや本で調べてみたいという人たちのためのページです。
阪神・淡路大震災記念
震災の展示や、実践的な防災研究、防災を担う人材の育成、災害対応の現地支援、多様なネットワークを通じた連携などをおこなっています。